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★ 自分の思い込みに対して反論してみる 「本当に自分はダメなのだろうか?」 後ろ向き思考の自分自身に対して、そんな疑問を持つことができたら、次には一歩進んで「反論」をしてみましょう。 反論するときには、いくつかのポイントとがあります。 ひとつは「根拠」に着目することです。 私たちが、ものごとを悪い方向に考えるときには、たいていがその方向に沿った事実だけを都合よく選んでみていることが少なくありません。 職場の人間関係を例にとってみましょう。 机に向かって仕事をしていたあなたがふと横を見ると、上司があなたの顔をじっと見ています。その上司は、以前に何度もあなたに嫌みを言ったことがあるとしましょう。すると、あなたは、 「またオレに嫌みを言おうとして、待ち構えているんだ」 と思い、イライラするでしょう。 ですが、事実としては、その上司はあなたをただ見ているにすぎません。たとえ相手が明らかにあなたを見張るような態度を見せていたとしても、「自分に嫌みを言おうとしている」と思い込むのは、やはりあなたの思いこみでしかないのです。 そして、被害妄想ともいえるその思い込みは、あなたが上司に対して抱いている、ゆがんだ期待の裏返しかもしれないのです。 ★ 頭を冷やして冷静になると落ち着く 人が頭に思い浮かべる考えは、その中身の善し悪しにかかわらず、どんなに確信があったとしても、100パーセント正しいということはありません。そうした少し謙虚な気持ちを持って、辛さの根拠を冷静に見つめていくと、気持ちが落ち着いてくることがあるものです。 ふつふつと湧き上がってくる怒りというのは、なかなか冷めにくいものですが、フッと深呼吸をしてから考えてみたら少しは気持ちが鎮まるはずです。 そして、ひと呼吸おくことができたなら、こんなふうに考えてみましょう。 「これまで、自分の考えがいつも正しかったんだろうか?」 「こういう辛い気持ちから抜け出すには、以前はどうしていたのだろう?」 「根拠もないのに相手に期待しすぎると、相手もきっと困るのではないだろうか?」 あなたの考えが必ずしも100パーセント正しいとはかぎらないことを示す事実=根拠を、かき集めてみましょう。ここで科学者のような冷静な眼を持てれば、辛い気持ちから抜け出すまであと一歩です。 |
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