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★ ウツになりやすいのは、考え方に共通したパターンがある 辛いという感情に支配されるときというのは、考え方に共通したパターンが見られます。失敗したり、ものごとがうまく運ばなかったりすると、すべてを悪い方向に考えてしまう、いわゆる「マイナス思考」です。 たとえば、仕事でミスをして上司に叱られたビジネスマンが、 「オレは役立たずの人間だ。会社に必要とされていないかもしれない」 と思い詰めてしまう。あるいは、取引相手との取り決めのなかで、自信が持てずに確認したい点があるのに、 「こんなことを聞くと『こいつは何もわかっていない』とバカにされるんじゅないか」 と、結局質問できずにあやふやにしてしまう。 このように何かの事態に対して反射的に思い浮かぶ考えは、その人の考え方のクセであり、そのクセこそが、気持ちを辛くして現実に対応する能力を失わせることになるのです。 ですから、辛いと感じたときには、ただ漠然と苦しんだり、悩んだりするのではなくて、考え方のクセのパターンに入っているのではないかとチェックしてみることです。 クセのパターンには、次のようなものがあります。 ● 過度の一般化 ごくわずかな例から、全部がそうだと決め付ける たとえば、男性にフラれた女性が「私は幸せになれない運命なのかもしれない」と嘆く。 ● 根拠なき推論 証拠もないのに疑い、ついには決め付けてしまう態度 たとえば、商談相手があくびをしただけで、「オレの話がつまらないんだ」と決め付けて落ち込む。 ● 二分割思考 ものごとをオール・オア・ナッシングでしか考えられない たとえば、「完璧にできないなら失敗と同じだ」と考える完璧主義者。 ● 選択的抽出 何でも自分のコンプレックスに結びつける たとえば、「男の人に相手にされないのは、私が太っているからだ」と決め付けて、ほかの理由を考えようとしない。 ● 拡大視や・縮小視 都合の悪いことを、過大あるいは過小評価する。 たとえば、「自分は取り返しのつかない失敗をしてしまった」と事態を必要以上に悪く考える。他人が努力して手に入れた成功を「あいつは運がよかっただけだ」と事実を見ずに妬む。 ● 情緒的関連付け 感情に振り回されて、現実を見誤る。 たとえば、「ああ、この手の問題は苦手だ。ダメだ」と、問題をろくに読まずにあきらめる受験生。 ● 自己関連付け 自分の存在を客観的に位置づけることができない。 たとえば、「自分の力が足りなかったばっかりに、会社に損害を与えてしまった」と立場以上に責任を感じて落ち込む新入社員。 |
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