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頭が冷静なときであれば、自分でも「考えすぎ」「悪くとらえすぎ」と思えるものですが、辛い気持ちやウツ状態になってしまっているときは、マイナス思考に支配されて、最悪だ、ダメだという結論になりやすくなります。 「オレはダメな人間だ」 「もう後がない」 という考えは、自分自身に対する期待を低くすることで、いまの自分の不安な気持ちを一時的に楽にしてくれる、甘い蜜のようなものです。 ですから、辛いときにはついつい手を出していまいたくなるのですが、その場しのぎのこの方法をあまり多用しすぎるのはいけません。不安などの辛い感情に振り回されるクセが知らず知らずのうちに強くなってしまいます。 ★ 世の中に完璧にダメだという状況はない こんなとき「確信度」という考えが重要になってきます。 辛さや不安で気持ちにゆとりがないと、事態を漠然と、しかも悪い方向にしか考えられなくなりますから、 「もうダメ100パーセントダメだ」 と思い込んでしまいがちです。つまり、ダメだと100パーセント確信しているのです。 ですが、世の中に100パーセントの確率などというのは、ありえるでしょうか。 どんなに確証の高いことであっても、事実が確かめられるまでは、ひとつの「仮説」でしかないのです。 そんな苦しい状況に陥ったときには、たとえば、いままでの人生でいちばん辛かったときと比べてみることです。そうすると、100パーセントと思っていたことも、99パーセントくらいには見えてくるのではないでしょうか。 そして、次に、 「どうして1パーセントセンチ足りないのか?ダメではない可能性が1パーセントは残っているではないか?」 と考えるようにするのです。すると、マイナス思考に押し切られることなく、問題を解決できる可能性に気づくきっかけになることもあります。 この「本当にダメなのだろうか?」と疑う姿勢は、他人の言いなりになったり、騙されたりしないためにも大事な視点ですが、考えすぎる人や落ち込みやい人にとっては、自分自身をコントロールするためにも重要なものです。 そして、この自分への「反証」こそが、辛い気持ちを克服するためのもっとも大切なポイントといえるでしょう。 ★ 大事なのはタメだという気持ちに疑問符をつけること 自分自身の「ダメだ」という感情を疑うことができても、理路整然と反論しきれずに、「やっぱりダメだ」と、最初の100パーセント確信していた状態に逆戻りしてしまうことがあるかもしれません。 ですが大事なのは、ダメだという気持ちに疑問符をつけて保留にすることです。そうすることで、自分がすぐに悪いほうに考えるクセを持っていることに気づき、本当に最悪の状態にまで突っ走ってしまうのを防ぐことができるのです。 |
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