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★視野が狭まる うつ状態になりますと、考え方が非常に偏狭になって、何か自分の心にひっかかりますと、それのみが心の中を支配し、他のことが目に入らなくなります。 心配事などが生じますと、それのみが気にかかって頭から離れず、つねに考えが堂々巡りすることになります。 要は冷静な判断ができなくなるため、他人の意見に耳を傾けるとか、少し時間を置いてから再考しようなどという心の切り替えができません。 解決策もないまま、思考が同じ回路を巡っているという状態です。 このため、悩んでも悩んでも、自分で解決策は見出せず、人に相談することもできず、悶々とした中で、気持ちだけが沈んでいきます。 ★ものごとを悲観的にとらえる ものごとを悲観的に考えるようになり、マイナス思考のみが強く働いてしまうのも、うつ病の特長です。 たとえば、恋愛カップルで、もう少しで結婚するという段になって、急に彼から別れ話が出たような場合です。 恋愛が終わったことによる虚脱感と、結婚を前提にすべての準備が進んでいたのに、突然破棄されたため、将来の展望が見えず、自分の人生が崩れさったような気持ちになります。 そして、自分の将来を「適齢期も過ぎているので、もう結婚できないのではないか」とか「今後、誰かと結婚しても、子供を産む体力はあるのだろうか」などと、悲観的な考えだけをするようになり、不安から抜け出せなくなるのです。 あるいは、息子の離婚問題を契機にうつ病になった父親の例があります。 当人たちはすでに弁護士を立て、離婚の調停が進んでいるのに、父親は心配でたまりません。孫の行く末はどうなるのか、慰謝料や養育費を請求されたら払っていけるのだろうか、息子は家庭を失って気を落とさないだろうかなどと、毎日同じことばかり案じています。 周囲の人が、「もう、話し合いが進んでいるから心配しなくても大丈夫」と言っても、聞く耳をもたないというありさまで、食欲は落ち、夜は眠れず、落ち込む一方です。 このように、すべてを悲観的にとらえ、不安から抜け出せなくなるのです ★ 自分自身を否定的に考えるようになる 明らかなきっかけがなくても落ち込むことがあり、その場合も悲観的になりがちです。きっかけはなくても、自分がうつ状態になっていることは分かるので、「一生治らないだろう。もう生きていく資格がない」などと自分を否定し、将来に希望がもてなくなるのです。 何かにとらわれやすい粘着質気質の人は、考え方の幅が狭く、オール・オア・ナッシング(全か無)なのです。 物事に対する評価が0点か100点のどちらかしかなく、満点でなければ0点と同じという思考です。 仕事を終えたときも、何かひとつでも満足できないところがあると、すべてが失敗だったと思う完全主義的な考えで、うつ病になるとその傾向が強くなるようです。 |
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