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セロトニンという言葉を聴いたことがありますか。 このセロトニンとは「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」と並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つのようです。このセロトニンは人間の精神面に大きな影響与える神経伝達物質で、セロトニンが不足すると、うつ病などの精神疾患に陥りやすいと言われています。 セロトニンの材料は、トリプトファンというアミノ酸ですが、これは体内で生産することができない必須アミノ酸で、どうしても、食物から取る必要があります。 そのトリプトファンが多く含まれる食品といえば、肉類、牛乳、鶏卵、精白米、大豆、ほうれん草などで、ダイエットでは真っ先に控えなければならない高たんぱく食品です。 ですから、うつの人がダイエットをすれば、そうでなくてもセロトニンの働きが悪いのに、摂取するセロトニン材料が減って、うつに拍車をかけるようなものです。 また、ダイエットでは、甘いもの(糖類)も制限されますが、各種の糖分は、消化吸収されたのち、ブドウ糖(グルコース)に変換されて全身の栄養となります。 なかでも砂糖は、もっとも容易にブドウ糖に変換されます。 そして、脳神経細胞は、たんぱく質や脂肪は栄養として受け付けず、ブドウ糖だけが栄養となりうるのです。 うつとは脳の働きが低下した状態ですから、ブドウ糖をしっかり補給してやる必要があり、そのためには、砂糖をとるのがもっとも手っ取り早いです。 このため、ダイエットをしていると、脳に必要な食べ物は、控えなければならないため、ますます気分がうつ状態に傾きがちになってしまうのです。 うつ状態のときには、もともと食欲も低下するのが普通ですから、食べるモノなど制限せず、自分の好きな物を食べるようにしたほうがよいのです。 うつ状態の人は、神経が細やかでマジメなタイプが多いので、ダイエットに取り組もうとすると、自分自身に厳しいルールを課して、それを必死に守ろうとする気持ちはあっても、もともとハードルを自分で高く設定してるので、結果的にその通りにはいかないものです。 そして、つい食欲に負け、「私は自分で決めたルールさえ守れない人間だ」と落ち込んでしまいます。 うつ気分になったら、ダイエットなどはひとまず中止することが先決で、カロリーがどうの、動物性脂肪がどうのといった能書きはさておいて、自分の食べたいものを食べるようにしましょう。 |
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