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うつ気分に陥りやすい人は、優しくて気配りができて、相手の気持ちを理解できる人に多いものですが、だからといって、そういう性格が悪いというわけではありません。 暗い人も明るい人も、その人の持って生まれた個性であり、あるいは外向性の人もいれば内向性の人もいるように、どちらの性格のほうが良いとか悪いとかいうものではありません。 個性は善悪とか損得で評価できるものではないのです。 どんな性格の人にも、うつ気分に陥ることはありますが、そんなときに、ふだんから考え方の暗い人は、自分はウツになりやすい性格だと思ってしまい、それがうつの引き金になることがあるのです。 あるいは、すでにうつ状態になっているのに、それを自覚することなく、「自分の性格が暗いからだ」とか「いつも気分が滅入って楽しいことがない」と、自己嫌悪に終始する人がいたりします。 それが極端になると、自殺しようとしたり、実際に自殺してしまうこともあるのです。 ですから、「自分は陰気で嫌な性格だ」とか「人に馴染まず孤独でいつも気分が沈んでいる」と自己判断している人は、それは性格ではなく、うつが原因とも考えられるので、一度精神科医の受けてみることをおすすめします。 うつ病なら治療によって治りますし、気分の落ち込みを軽くすることができます。 問題は、自分がうつだと認識することが大切で、認識することによって初めてうつに立ち向かおうとする気力が湧いてくるのです。 自分の悩みが性格や人間性の欠陥に由来するものではなく、カゼや花粉症のように生理的な由来を持つ病気だと確信することで、辛さをしのぎやすくなります。 いつかは治る、好転するという確信を持つことができるのです。 もちろん、認識をもっただけでうつ気分がなくなるわけではありませんが、どんな病気も診断を下すだけで患者が楽になるはずがないのです。 ただ、そうはいっても治療の第一歩は診断で、診断が確定して、はじめて治療に取りかかることができます。 自分がうつ病だと知らなかった人は、それを知ることによって、闘病の気持ちが生まれ、それまで、なにもかも自分のせいにして落ち込んでいた人が、たたかう相手として、自分のうつ病をみるようになるのです。 |
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