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よく「うつ病」は、なまけ病だという人がいますが、「なまける」というのは、自分の意思でするものです。 面倒くさいなどの気持ちからついついなまけてしまうのは、他人に迷惑をかけない限り責められることではないでしょう。したがって、自分の責任でなまけている限り、本人に苦痛感はありません。 しかし精神疾患としての「うつ病」は、自分の意思によってなるものではありませんので、実際は、働きたい、活動したい、人と会って話したいなどの意思があるにもかかわらず、精神的、身体的な症状が出て、体が言うことをきいてくれないのです。つまり本人には苦痛があるわけです。 ただ、医師としては、相手の言葉を信じるしかないので、「なまけ者」か「うつ病」かの真実は闇の中としか言いようがありません。 こういう実体があるため、世の中には「うつ病」を装って利益を得ようとする不届きな輩がのさばってしまうのです。それに加担しているのが精神科医ともいえるのです。 本人の関心は、自分の病気の状態や治療法よりも、むしろ、診断書を書いてもらうことを目的としている場合があります。 たとえばうつ病などの精神疾患の診断書で、休職中の「傷病手当金」が支給されたり、障害者認定を受けることで「障害年金」が支給されます。さらに生活保護を申請する場合も、診断書が決め手になることがあるようです。 また、消費者金融からの借金の猶予、奨学金返済の猶予などにも診断書が有効なケースがあるようです。 このようなことがあるために、けっして病気とはいえない状態であるにもかかわらず、「うつ病」などの診断名を望む人も出てくるわけです。 本人が巧みに病気を演じていると、最初は、なかなか分からないかもしれませんが、たとえ嘘だと思えても、「嘘でしょう」とはいえません。 相手の嘘に気付いて、怒ってしまったら、医師と患者さんとの治療関係を損なってしまいますし、難しい点があると思います。 ともあれ、法律に触れるような大きな仮病はよくないことです。 本当に病気の人も困ってしまうので、しっかり自己管理していきましょう。 仮病はよく使われる言い訳のひとつですが、病気を装う目的が悪質な場合は、詐病という語がふさわしくなります。
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