|
これは現代病ともいえるもので、これだけ情報が氾濫しますと、自分と比較できる対象が格段に広がり、それが結果的にうつ病を誘引しているところもあります。 テレビもないような昔なら、たとえ貧しい生活をしていても、周囲も皆、貧乏であったから、何も貧乏が悪いとか苦労であるなどとは思いませんでした。 それが、現在のようにインターネットなどか普及しますと、全国どこへ行っても同じ情報が流れるだけでなく、世界の情報さえ共有できるようになり、自分のおかれている境遇と他人の境遇がいやでも比較できるようになりました。 こうなると、雑誌やテレビなどで、成功者の話が出たり、豪邸に住んでいる家の紹介などがされますと、当然、自分のふがいなさが身にしみるようになり、「情けない」「自分は何でもっと頑張れないのか」という自責の念にかられる人が多くなり、漠然とした社会からの圧力を感じてしまうのです。 また、企業では、日本のよき伝統であった年功序列制度が崩れ、成果主義とか能率主義が採用されるようになり、同期で入った新入社員であっても、どちらかが部下になることだってありえます。あるいは年下の女性であっても、部下につかざるを得ないことだってあります。 成績の良い人と悪い人では賃金格差も生まれてきます。そうした競争社会に疲れ果てて心を病むビジネスマンが多いのも事実です。 さらに、経済不況によって、リストラとか倒産する企業も多くなり、それで自殺者が増加しており、年間3万人を超えています。 会社の倒産、事業の失敗、リストラなどが引き金となって自ら命を絶った多くの人は、経済苦や絶望感がきっかけでうつ状態に陥ったと思われます。 |
|
|
Copyright (C)2014. うつ病の診断・原因・症状・治療と接し方 All rights reserved. |