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★精神療法の基本は患者さんの心を支えること 精神療法とは、患者さんが抱えている心理的な悩みや問題点を、自分で整理し、解決できるように、医師や臨床心理士などが援助する方法です。 精神療法には「支持的精神療法(一般精神療法)」と「特殊精神療法」がありますが、通常、精神科医がうつ病の治療に用いるのは、支持的精神療法です。 これは、治療者が患者さんの訴えを聴き、不安な気持ちを受け入れ、共感し、「治療をすればよくなりますから心配しないでいいですよ」と支えることで、患者さん自信が前向きに対処できる力をつけることが目的です。 ★対話をしながら患者さん自信が解決策を見出していく 精神療法では、患者さんがリラックスできるように、治療者は斜め前にすわり、たえずおだやかな表情で話を聞きます。治療者は質問をしたり、いたわりの言葉をかけたりしますが、結論を出すことはありません。あくまでも患者さんが主体となって答えを見つけていくのが原則です。 対面して話をするというと、時間をかけてゆっくり行われるものと思われがちですが、時間の長さは関係ないようです。 精神療法で重要なのは、患者さんが「自分を理解してもらった」と感じて精神的に安定することであり、そのことが確認できる状況になれば、たとう5分でも、10分でも十分です。 ★精神療法と薬物療法は車の両輪 現代の精神医学において、薬物療法の発展は目覚しいものがありますが、薬だけでうつ病を根本から治すことはまず不可能といわれています。 精神療法と併用することで、確かな治療効果が得られます。その意味では、精神療法と薬物療法は車の両輪みたいなもので、どちらも欠くことはできません。 精神療法は、初めて医師と対面したときから始まっています。 症状が重く、殻にとじこもっているような状態のときに無理に話を聴きだすことはしません。そのときは、患者さんが医師を信頼し、胸中を開いて話してくれるようになるまで待ちます。
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