|
うつ病のときは、心理的不安が極度に高まり、精神が逼迫したような状態ですので、思考力とか感覚が鈍って正常な判断力ができないものです。 ですから、仕事上で重要な決定をしなければならないようなときは、自分で判断せず信頼できる人に任せるのが良いです。 また、人生の大きな局面となる結婚であるとか、あるいは転職、不動産売買などの件は、精神が安定してから決定しなければ、大きな失敗を招いたり、そのことで周囲に多大な迷惑をかけることも危惧されますので、重要な決定は先延ばしをしましょう。 うつ状態のときは、気持ちだけ焦って結論を急いでしまうものです。 脳の正常に働かないため物事を悪くとらえがちになり、元気なときなら気にならないような、ちょっとした失敗でも、「とんでもないことをしてしまった」「自分はダメな人間だ」と考えがちになりやすいです。 さらに、「こんな役立たずの自分は、この職場にいても迷惑をかけるだけだ」などと考え、突然、退職願いを出してみたり、あるいは妻に苦労をかけたくないという気持ちから焦って離婚をしようとすることがあります。 家族の方は患者さんが「会社を辞めたい」「離婚をしたい」など、人生に関わるような決断をしようとしていたら、そのまま同意するのではなく、「苦しい気持ちはよく分かるが、今は病気のために正確な状況判断に狂いを生じるので、決断を焦らずにうつ病から回復し、あなた本来のものの見方、考え方ができるようになってから、いっしょに考えよう」と伝えて急性期に重大な決断をして、後で後悔する結果にならないようにサポートしてあげてください。
|
|
|||||||||||||||||||||
Copyright (C)2014. うつ病の診断・原因・症状・治療と接し方 All rights reserved. |