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私はうつで苦しんでいる2013年に実家に帰ることがあった。 そこには兄貴家族が来ていて、姪っ子二人も遊びに来ていた。 それで、「こんにちは」と挨拶をしようと思ったら、姪っ子たちが駆けつけてきてくれて、「はいっ」と小さな袋を渡してくれた。 それはおまもり型に折られた折り紙で、紐がついてあって、「ゆうきくんへ」と書いてあった。 中身はおはじきか何か入ってあって、勇気、元気、やる気、根気、強気など五つの意味が込められてあるという話だった。 それをもらった私は嬉しくて泣きそうになった。 「これは死なれへんな〜」と思わず母親に漏らしていた。 「ありがとう。大事にするわな」とお礼を言った。 私の病気のことは子供には言うまいと思っていたが、兄貴か兄貴のお嫁さんが子供たちに伝えてくれたのだろう。 それを聞いた長女が一生懸命おまもりを作ってくれたのだ。 なんて健気なのだ。 まだ小学二年生でうつ病のことなんてわからないだろうに、病気というだけで折り紙を折ってくれるなんて。 なんて優しい子なのだろうと思った。 兄貴家族に感謝した。 私は一人で生きているつもりだったけど、一人ではないのだ。 ちゃんと支えてくれる家族がいる。 私もまだまだ捨てたもんではない。 心配してくれているのだ。 まだ死ぬわけにはいかない。 病気になって辛い思いをずっとしてたけど、今この瞬間は幸せに満たされていた。 一瞬でも幸せが訪れることはとても嬉しいことだ。 |
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