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うつになって離婚して神戸に戻ってからも両親からエールが送られてくる。 「ちゃんとご飯は食べているか? 夜はちゃんと寝ているか? たまには実家に帰ってこい」 そんなメールが週に一回は来ていた。 そのメールが来るたびに私は嬉しさを覚えていった。 こんなどうしようもない私でも応援してくれる人がいる。 両親って本当に温かいなと親の愛を感じていた。 母親は家に帰るとまずご飯に連れて行ってくれる。 私に食べたいものがないか聞いてくれ、 自分の食べたいものを差し置いて私のリクエストに答えてくれるのだ。 私がうどんを食べたいと言えばうどん屋さんに連れて行ってくれ、 韓国料理が食べたいというと韓国料理屋に連れて行ってくれ、 焼肉が食べたいというと焼肉屋さんに連れて行ってくれた。 家に帰るとお風呂に入ることを催促される。 昔は干渉されるのが嫌だったが、 今はその強制力がありがたい。 自分一人だとどうしても身の回りのことがおろそかになりがちだ。 それで私が着ている服がボロボロだということで、 買い物に連れて行ってくれることもあった。 「好きなものがあったら何でもいいなさい。 何でも買ってあげるから」と言ってくれていた。 私が三千円するシャツが欲しいと言うと、 文句も言わずにレジまで持って行ってくれた。 ベッドの用意は完璧にしてある。 口では面倒くさいやつだと言っていても、 そのくせ行動は完璧なのだ。 シーツもサラに変え、布団は干されており、枕も干してある。 そしてそれも全てベランダから取り込み済みで、 あとは寝るだけという完璧なところまで仕上げてくれている。 さすが母親だと思っていた。 |
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