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私は八月頃になると神戸に戻ってきていた。 長い間実家でお世話になった分、 一人で生きていかねばと思っていた。 それで神戸に帰ってきてからもずっとうつうつとしていた。 一日中布団の中にいる。 またこの生活だ。 この頃は漫画を読んだりDVD を見たりすることができたので、趣味に勤しんでいた。 何か動かなければ良くなるものも良くならないと思っていたのだ。 それで夏の炎天下だったが、意を決して少し遠い公園まで足を運んでみた。 片道三十分くらいはあっただろうか。 人がよく集まり、トラックがある公園にたどり着いた。 そこでひたすら歩いた。 トラックを一周して休む。 水を飲んでまたトラックを一周して休む。 それを何十週と繰り返した。 歩くのに飽きるとまた家まで歩いて帰る。 そして家で一時間くらい休憩してからまた公園に戻るのだ。 ある日とても辛い波がきた。 もういっそ殺してくれというくらいにしんどかった。 それでも毎日公園に行っていたので、外に出ないと自殺してしまうと思い、無理をして公園に行った。 それはお昼ご飯を食べたすぐあとだったが、なぜだかずーっと公園にいようと思った。 「帰ってもすることがないから公園でいいや」と思っていたのだ。 それでベンチを使って体操をしたり、屈伸をしたり、ストレッチをしたり。 公園の遊具を使ってできることは全部やった。 そうこうしているうちに夜がやってきた。 この時期は夏ということもあって、夜がふけるのが遅かった。 それでずーっとぼーっとしていた。 |
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