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当然ジョークでそう言っているのだろうと思っていた。 しかし、奥さんはそれを本気に考えていたようだった。 「私といてこの先幸せになれるのか、満足の行く人生になれるのか」 そう思っていたと思う。 私も内心は不安だった。 全然症状が回復しないうつ。 良くなったと思ってもさらにそれ以上に悪くなるサイクル。 本当に辛いと思っていた。 でもどうすることもできないと思っていた。 出産のときに撮った子供の写真が可愛くて仕方がない。 目がパッチリと大きくて愛らしい顔をしている。 兄貴のお嫁さんに「この子はゆうきくんに似ている」と言われたときは嬉しかった。 自分の子供ができるっていうのは不思議な気分だった。 しかし突きつけられた現実は離婚。 信じられなかった。 正直今でも信じがたい。 うつになって離婚なんて。 そんな人生最悪だ。 不幸の真っ只中にいる。 そう思えてならなかった。 このあと離婚のショックが重くのしかかる。 母親から告げられた直後はさほどダメージはなかったが、時間が経つにつれ、ボディーブローのように効いてくる。 離婚、りこん、リコン・・・ 「なんで私ばっかり辛い思いをするんだ。神様は不公平だ」 と思っていた。 そして離婚のショックを引きずるようにうつは悪化していった。 |
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