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奥さんが里帰り出産のために岐阜へ帰っていった。 出産は二月予定だったので、十二月に仕事を終えて、ギリギリまで神戸で過ごしたあと、実家に帰ったのである。 私はこのとき、うつがひどかったこともあって、私は私の実家の大阪で休ませてもらうことになった。 実家の暮らしは楽だった。 私の両親は健在でピンピンしており私よりも元気がよかった。 母親はお弁当を買ってきてくれるし部屋の掃除はしてくれるし、洗濯もしてくれる。 冬の寒いときにはユニクロに行ってたくさん服とパジャマを買ってくれた。 それだけで感謝の気持ちでいっぱいだった。 私は家で寝ているだけでいい。 何もしなくていいというのが幸せだった。 もちろんうつで体はしんどかったのだが。 一日中ゴロゴロしていたと思う。 そんな私を見ても親は何も言わずに暖かく見守ってくれていた。 今考えても本当に優しい親である。 うつになって会社に行けないどうしようもない息子を、ずっと家に置いていてくれたのだから。 そして私は隔週で神戸の病院へ通っていた。 会社に提出する傷病手当金の書類のこともあって、病院はずっと神戸に通っていたのだ。 そして一月。 |
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