|
私と奥さんは大学が同じだった。 当時十八歳になった私は何かサークルに入ろうと思っていた。 バイトをしなくても親からの仕送りで十分やっていけていたため、サークルに入って青春を謳歌しようと思っていた。 それで私は物理科学科ということもあり、星に興味があったので天文サークルに入ろうと決めた。 一回生で入ったときは元奥さんはいなかった。 奥さんは美術サークルに入っていたのだ。 しかし二回生になってから、奥さんの友達がなんかもう一つ新しいサークルに入りたいということで、奥さんと一緒にサークルの定例会に来ていた。 最初見たときの印象は「まぁ普通だな」と思っていた。 少し可愛いなとは思っていたが、特別付き合いたいとかは思わずに特に積極的に話すこともなかった。 それは向こうもそう感じていたようだった。 天文サークルというとなんかロマンチックな印象を持つかもしれない。 たしかにそういう一面もあったが大半は例会で、学術的に天文のことを調べて発表するということが多かった。 いわゆるオタク系の人も多かったが、私はそんな癖のある人たちは好きだった。 天文について語り出すと何時間も語る人や、望遠鏡のことになると時間を忘れて夢中に星を見る人、冬に行った高知合宿では、朝まで望遠鏡の機材を触っていて凍傷になる人もいた。 たくさんの面白い人がいたのだ。 |
|
||