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十月に入った頃だろうか。 私はリワークという復職支援のプログラムに参加した。 リワークというのは復職のためのリハビリ施設みたいなもので、だいたい三ヶ月通う人が多かった。 それでそこに毎日通所するということで実績を作り会社に復帰するというものだった。 私はこの頃食欲不振と不眠に悩まされることになる。 ご飯を全然食べる気がしないのだ。 お腹が全然減らない。 食べようと思ったら食べられるのだが、なぜか食う気が起こらないのだ。 これは生命に関わることなので本当にやばいと思った。 三日連続夕食はサラダという日もあった。 食べる気がしないのに食べなくてはいけない。 お風呂に入っているときに吐きそうになることもあった。 なぜだかえづくのだ。 気持ち悪い、吐き気がする、そんな感じだった。 ご飯なんて食べなくてもいつか食べたくなるときが来る。 人間はお腹がすくと自動的に何か食べたくなるものなのだ。 そう思ってご飯を抜いた日もあった。 でも、このまま食べなくなり続けたらいつか死ぬんじゃないか。 そんな恐怖を覚えた。 それからは食べる気がなくても無理矢理食べることにした。 そうしないとどこかで破綻してしまうという恐れがあったからだ。 今考えると食べたら食べられるというのは幸せだったのかもしれない。 うつで苦しんでいる人は食べようにも食べられないと言う人はたくさんいるのだから。 睡眠に関しては夜寝ることができなくなった。 目をつぶっても寝入ることができない。 ⇒続き ⇒目次に戻る |
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