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二度目の休職に入って半年が過ぎた頃だろうか。 私は東京にいた。 それは幸せに関するトレーナーになりたいと思っていたからだ。 幸せとは何なのか。 どうしたら幸せになれるのか。 会社に打ちひしがれていたこともあって、幸せになりたいという想いがずっと強かった。 それである本を読んで幸せに暮らすためには、自分がワクワクすることをやればいいということが書いてある本にたどり着いた。 一番好きなことを仕事にしろということだった。 なるほどと私は思い、それに関連したワークショップに参加することで、幸せを教えるトレーナーになれるということに興奮していた。 幸せを教える先生をやることが自分の幸せに繋がる。 そう思っていた。 幸せになりたい人と話すことができる。 自分も幸せを教えることができる。 それってとっても幸せなことなのではないかと思っていた。 それで一年に一度だけ開催されるトレーナー養成講座に参加した。 それが東京であったのだ。 この頃には体も大分良くなっていたので一大決心をして、新幹線のチケットを取った。 トレーニングは全部で四日あったが、最初の一日は頭が痛くなった。 この半年間、外の人と話すということがほとんどなかったので、一日中話をしたというそのギャップでとても頭が痛くなってしまったのだ。 ホテルに帰ってから奥さんに電話して頭痛のことを伝えた。 そうすると、「久々に人と喋ったんだからしゃーないよ」と言われた。 「そうだね」と言った。 そしてその日は十時くらいに寝て次の日の朝に備えた。 一日目を終えたときの気分は最悪だったが、二日目はうまく人と話せたこともあり、満足感に満たされていた。 トレーナーの先生は明るくて楽しいし、周りの生徒たちも良い人が多い。 ⇒続き ⇒目次に戻る |
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