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身の回りの世話は何でもやってくれた。 唯一の私の仕事はペットの猫にえさをあげることだった。 これだけは私の仕事だった。 しかし当時はそれすらも辛かった。 まずベッドから体を起こすことがしんどい。 もちろんトイレに行くのも命からがらだ。 ご飯を食べに隣の部屋に行くのだって辛い。 でも食べなければ死んでしまう。 とにかく這ってでも生きなければそういう心境だった。 当時はまだ死にたいとか人生終わりだということは考えなくて、ひたすら生きなければという思いだった。 このときは不安感、絶望感、無気力感が襲ってきていた。 一回目の休職のときと似ている。 やるせない感じ。 人生に対して悲観的な気持ち。 やってしまったという感情が強かった。 当時は風呂に入るのもしんどかったが、奥さんが「一緒に入ろう」と言うので、入った。 体がしんどくて何も話す気になれなかったが、奥さんはそれを黙って見てくれていた。 私をけなすこともしなかった。 ただただ愛情で見守ってくれていたのである。 私はそんな奥さんの気持ちに感謝した。 夫婦ってなんてありがたい存在なんだと思ってやまなかった。 そして毎日を無為に過ごし、復帰することを夢見ていた。 ⇒続き ⇒目次に戻る |
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