|
休職生活が始まってから、私は絶望感に打ちひしがれていた。 気力が低下していたのだ。 やる気を振り絞ろうとしても出ない。 やる気がないのではなく、出てこない。 どんなに踏ん張ろうとしても踏ん張れない感じ。 自分の意志ではどうすることもできなかった。 やる気が出ないことがこんなに辛いことだなんて。。。 その感覚に私は絶望していた。 それでも家族で暮らしている分、自暴自棄になる訳にはいかなかった。 うつで苦しみながらも何とか冷静さを保っていた。 そしてそれに加えて興味・関心も喪失していた。 あれだけ楽しかった漫画が読めない。 本も読む気がしない。 テレビも見る気がしない。 カラオケに行く気もしない。 なにもやる気がしなかった。 奥さんには「好きなことをやったら」と言われていたが、それができないことに苦痛を感じていた。 「私の体はいったいどうしてしまったのか」そう思っていた。 とにかくひたすらベッドで寝ているしかなかった。 布団の中で右にゴロゴロ左にゴロゴロして、 「あーでもないこーでもない」とずっと考えていた。 「早く体が回復して欲しい」 そう考えていた。 しかしこのときご飯は食べれていた。 食欲はなぜかあったのだ。 これにはずいぶん救われたと思う。 奥さんの手料理が美味しかったというのもある。 出てくる料理出てくる料理全部美味しいのだ。 このときは結婚していてよかったと本当に思ったものだ。 性欲はというと全然なかった。 特に何かする気が起こらない。 食欲はあってもやっぱり私は病気なんだなと思っていた。 この全く何もできない状態は一週間続くことになる。 食べるときとトイレに行くときだけ起きる。 後は終始寝たきり。 布団の中でもぞもぞし、苦しさに耐えるのみだった。 不安と絶望感、やる気の低下、興味関心の喪失、 どれも早く回復して欲しいとそれだけを願ってやまなかった。 そして、辛い辛い一週間が過ぎる。 ⇒続き ⇒目次に戻る |
|
||