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私の場合、一週間が過ぎた頃少し動けるようになった。 漫画でも読もうかなと思い立ったのだ。 漫画を読むととても読むスピードが遅い。 普段は一冊二時間くらいかけて読んでいたのが、四時間くらいかかるようになる。 なぜか内容が頭に入ってこないのだ。 それでゆっくり読むようになり、苦痛を感じながら読んでいた。 漫画は楽しいのだが、うつ症状が辛い、苦しい。 でも漫画を楽しめるようになってきたということは、「興味関心の喪失が少し和らいだのではないか」そういう嬉しさもあった。 とにかく漫画が読みたいという一心で、全巻セットの大人買いをして、朝から晩までひたすら読んだ。 会社に行っていないのだから時間はたっぷりあった。 ひたすら趣味に没頭することができた。 来る日も来る日も漫画に没頭する日々。 三週間くらいは続けていただろうか。 次に私がやったのが昔の懐かしいドラマを見ること。 ネットのDVD レンタルを利用して毎日大量のDVD を借りていた。 それをこたつに入りながら見まくる。 とにかくやりたいことをやろうというのが心の内にあった。 こうやって書くとなんだ元気ではないかと思われるかもしれない。 それが新型うつの良いところだ。 会社では辛くて辛くて逃げ出したくて、回路も組めなくなったが、家にいると元気が出てくる。 何かしようという気が起きてくる。 私の場合、それは一週間くらいでやってきたので、割と症状は軽いほうだと思っていた。 もちろん当の本人はうつの苦しさに打ちひしがれている。 軽症といっても、今まで味わったことのない辛さだったのだから。 それでもうつの本を読んだり、ネットを見たりしていると、自分よりももっと苦しい人がいるというのがわかり、その比較で、「あぁ自分はそこまで重症ではないのだな」と思っていた。 「一週間地獄のような日々を送ったけれど、一週間で動けるようになるなんて私は幸せな方なのかな」と思っていた。 しかしスパッと治るはずもなく、うつうつとした状態が二ヶ月以上続くことになる。 当初は一ヶ月で職場復帰をする予定だったが・・・ ⇒続き ⇒目次に戻る |
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