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この自宅療養でまず困ったのは三日間睡眠障害が出たことだ。 寝ても早朝に覚醒する。 そしてそこからずっと寝られないのだ。 頑張って目をつぶって寝ようとするが、全く眠りに落ちない。 目がギンギンに冴えていた。 仕方がないので奥さんが起きてくるまで起きている。 この時間は辛かった。 一緒のベッドで寝ているが、奥さんを起こすわけにもいかない。 ずっと一人で悶々悶々としていた。 そしてやがて朝が来た。 奥さんに早朝覚醒があったことを話すと、返答は覚えていないが、「心配しなくていいよ」と 言ってくれていたような気がする。 この頃の奥さんは頼もしかった。 いや、ずっと頼もしいのだが・・・ 家事、料理、洗濯をやってくれていて、会社にも行っていた。 私も何かやらなければと思っていたが、できなかった。 体が動かなかったのだ。 仕方がないので布団の中に潜っている。 申し訳なかった。 でも病気だから仕方がないとも思っていた。 この頃は薬も飲み始めたばっかりで効き目が出るまでの二週間はとても長く感じられた。 とにかく辛いのをじっと耐えて待っているしかない。 体が動かないのでトイレに行くのも必死だった。 当時は不安感に襲われていた。 胸が苦しい。 どうしようもない絶望感にも襲われていた。 何も考えるなと言われても考えてしまう辛さがあった。 それはそうだ。 だって一日中家にいるのだから。 無の境地になることは不可能だった。 それでも生きていかなければならない。 このときは自殺願望はなかったが、それでも辛かった。 体を動かそうとしても動かない。 動かさないのではなく、本当にエネルギーがゼロなのだ。 うつはよく車に例えられるが、本当にガソリンが空になった感じだ。 アクセルを踏んでも動かない。 別にブレーキを踏んでいるわけじゃない。 燃料が枯渇している感じなのだ。 そんなわけでどうしようもなかった。 こうして私の一回目の休職生活が始まった。 ⇒続き ⇒目次に戻る |
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