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世の中こんなに一緒にいて、波長が合う人がいるんだと思っていた。 仕事は辛かったが、プライベートは順風満帆、そう思っていた。 しかし、奥さんは結婚式の準備は楽しくなかったという。 もう二度としたくないと言っていた。 今思えば、この頃からすでに歯車が狂っていたのかもしれない。 私が楽しかったのは、自分勝手に物事を進めていたことに他ならない。 自分の思い通りに結婚式の準備を進めていただけで、 奥さんのことは全然考えていなかった。 相手を思いやる配慮が足らなかったのだ。 結局自分のことしか見ていなかったのである。 とんだピエロだ。 それでもこの頃は結婚したばかりで、未来は明るいものだとばかり思っていた。 プライベートがうまくいっていると思い込んでいただけに、仕事もいつかうまくいくと信じてやまなかった。 でもそんなことはなかった。 仕事をどんどんこなすにつれ、辛さが増してくるのだ。 家でもけんかが多くなった。 水道の水は浄水を使えとか、ミンチ肉を触った手で蛇口を触るなとか、 ベッドはテレビと一緒の部屋がいいとか、 とてもくだらないことでしょっちゅうけんかをしていた。 ひどいときは、私が歯科矯正をして痛いのでイライラしていて、そのせいで奥さんに八つ当たりすることもあった。 もちろん奥さんは何も悪くない。 自分の腹の虫が収まらなかっただけだ。 また仕事で自分の設計が思い通りにいかずに、それを奥さんに八つ当たりすることもあった。 今考えるとひどい話である。 自分で自分をコントロールできず、それでプライベートもどんどん破綻していった。 ⇒続き ⇒目次に戻る
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