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何もしていないが外を見ていたからだろうか。 時間は徐々に経過し、刻一刻と過ぎるのだった。 電車の音は本当にうるさくて、テレビを見ていても電車が通ると音がかき消されてしまうのだ。 何も聞こえない。 両親が引越しの準備に来てくれたときも、窓を開けていると会話ができないほどだった。 線路によって音の大きさが違うというのも発見だった。 すーっと通り過ぎていく線路の電車もあれば、ガタンゴトンと轟音を立てて通り過ぎていく線路の電車もある。 普通や快速、新快速に拠らないんだと少し感心していた。 それで次にした行為は漫画を読むことだった。 私は漫画が大好きなのだ。 椅子をベランダに持っていき、外の風を感じながら漫画を読み漁る。 電車の音はすごかったが、一瞬なのでそんなに気にならずに漫画に集中することができた。 集中といってもこの頃はまだあんまり頭に入って来ず、かなりのスローペースでページを読み進めていくだけだった。 日光浴をしながら漫画を読むのは気持ちいい。 体が熱くなっていくのを感じられた。 いつでも休むことができるしいつでも再開することができる。 かなり自由な生活だった。 奥さんも文句は言わず私のやっていることをただただ見守ってくれていた。 体がしんどかったが、二ヶ月前の究極のしんどさよりは、少しマシになっているように感じられた。 ⇒続き ⇒目次に戻る |
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